R8 労基3-A|遡及昇給と退職者の賃金差額
問題
9月1日に当該年の1月からの新給与を決定し、遡及支払を行う場合、同年1月以降同年8月31日までの退職者については賃金差額を支給しないと規定することは、労働基準法第24条違反となると解される。
この肢は正しいでしょうか、誤りでしょうか。
判定
正しいです。問3全体の正答は、他の肢の判定をそろえてから確認します。
解説
遡及して決めた新給与による差額は、各月の賃金の後払いとして扱われます。その期間に在職していた労働者は、9月1日までに退職していても差額を受け取る権利があります。退職者だけを一律に除外する規定は、賃金全額払の原則に反するため、肢Aは正しいです。
ここでは「9月に決めた特別な賞与」ではなく、1月にさかのぼって各月の給与額を改める点が重要です。新給与と既払給与との差額は、1月から8月までの労務に対する賃金の不足分です。退職したことは、在職中に発生した賃金差額を失わせる理由になりません。
例えば、1月から8月まで勤務して8月末に退職した人について、9月に1月からの月額を増額した場合を考えます。その人にも在職月分の差額を支払います。「9月時点で在籍していないから払わない」という扱いはできません。
1〜8月に労務を提供旧給与で支払済み。
9月に新給与を遡及決定各月の賃金差額が確定。
在職・退職を問わず支払う在職中の差額は退職者にも発生します。
根拠
- 労働基準法24条(厚生労働省):賃金の全額払の原則を定めています。
- 賃金支払の確保に関する資料(厚生労働省):定められた賃金を支払わない場合の違反を説明しています。
- 退職後の賃金支払い(福島県):退職後にも未払賃金の支払義務があることを説明しています。
復習ポイント
- 遡及昇給の差額は、各月の賃金の後払いです。
- 退職者にも在職期間分の差額が発生します。
- 退職日後の支払時期は、賃金の発生時期と分けて考えます。
解き直し
9月1日に当該年の1月からの新給与を決定し、遡及支払を行う場合、同年1月以降同年8月31日までの退職者については賃金差額を支給しないと規定することは、労働基準法第24条違反となると解される。
もう一度、正しい・誤りを選んでください。
判定:正しいです。
遡及して確定した差額は在職期間の賃金なので、退職者を一律に除外できません。