R8 労基1-2|請負事業の災害補償
問題
労働基準法第87条第1項によれば、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人が使用者とみなされる。
この肢は正しいでしょうか、誤りでしょうか。
判定
解説
建設の事業が数次の請負で行われる場合、災害補償については元請負人を使用者とみなします。肢Bは、このルールを正しく述べています。
労基法87条1項は「厚生労働省令で定める事業」を対象とし、施行規則48条の2が、その事業を労基法別表第一第3号の事業と定めています。肢Bに並ぶ土木・建築・工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業は、この別表第一第3号の文言です。
「使用者とみなす」の範囲は、災害補償についてです。元請負人が、下請負人の労働者について一般の労働契約上の使用者になるという意味ではありません。また、元請負人が書面契約で下請負人に補償を引き受けさせたときは、その下請負人も使用者となりますが、元請負人を使用者とみなす原則は残ります。
一般の労働契約上の使用者になるわけではありません。
例えば、建設工事を元請会社が受注し、電気工事を一次下請、さらに配線工事を二次下請へ委託している現場を考えます。二次下請の労働者が業務上けがをした場合、労基法上の災害補償では、請負関係が何層にもなっていることを理由に補償先が不明確にならないよう、元請負人を使用者とみなします。資力の小さい下請負人だけに補償を負わせ、労働者の救済が不安定になることを防ぐ趣旨です。なお、実際の労災保険給付の仕組みとは区別して、ここでは労基法87条の災害補償の特則を確認します。
根拠
- 労働基準法87条(e-Gov法令検索):数次の請負の場合に元請負人を使用者とみなす原則を定めています。
- 労働基準法施行規則48条の2(e-Gov法令検索):87条1項の対象を別表第一第3号の事業と定めています。
- 厚生労働省・労災かくし防止に係る通達:87条2項の運用について、元請負人を使用者とみなすことが基本であると説明しています。
復習ポイント
- 対象は、数次の請負で行われる別表第一第3号の建設の事業です。
- 使用者とみなされるのは、下請負人ではなく元請負人です。
- みなしの範囲は災害補償です。賃金などまで当然に含まれるわけではありません。
解き直し
労働基準法第87条第1項によれば、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人が使用者とみなされる。
もう一度、正しい・誤りを選んでください。
判定:正しいです。
建設の事業が数次の請負で行われる場合、災害補償については元請負人を使用者とみなします。肢Bは、このルールを正しく述べています。