R8 労基2-エ|療養後の解雇制限
問題
業務上負傷して療養していた労働者が、完全に治癒したのではないが、稼働し得る程度に回復したので出勤し、元の職場で平常通り稼働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を労働基準法第20条に定める解雇予告手当を支給して即時解雇することは、同法第19条に定める解雇制限に違反すると解される。
この肢は正しいでしょうか、誤りでしょうか。
判定
誤りです。問2全体の正答は、他の肢の判定をそろえてから確認します。
解説
元の職場で平常どおり働けるまでに回復して出勤し、その就業後30日を経過しているなら、労基法19条の解雇制限には抵触しません。完全に元の健康状態へ戻っていないことだけでは、解雇制限が続く理由になりません。したがって肢エは誤りです。
労基法19条が保護するのは、業務上の負傷・疾病の療養のために休業する期間と、その後30日間です。療養のために休業している間に安心して治療へ専念できるようにする規定です。復職後に元の職場で平常どおり稼働している場合は、たとえ完全には治っていなくても、この「療養のための休業」には当たりません。
例えば、骨折後に治療を受けていた労働者が、痛みが少し残るものの、元の業務を通常どおり行える状態で出勤を続けた場合を考えます。復職から30日を過ぎれば、19条の解雇制限は問題になりません。ただし、解雇が有効かは別に労働契約法16条などによる判断を受けます。
療養のため休業解雇できません。
復職後30日間解雇できません。
平常稼働後30日経過19条の解雇制限には当たりません。
完全な治癒の有無だけでなく、療養のための休業が終わり、就業後30日を過ぎたかを確認します。
根拠
- 労働基準法19条(厚生労働省):療養のために休業する期間とその後30日間の解雇を制限しています。
- 解雇制限(栃木労働局):19条の解雇制限の対象期間を説明しています。
- 労働基準法19条の解釈例規:基収1134号(昭和24年4月12日)の、平常稼働後30日を経過した事例の取扱いを掲載しています。
復習ポイント
- 19条は療養のための休業期間とその後30日間を保護します。
- 完全に治癒していないことだけでは、解雇制限は続きません。
- 19条の制限がなくても、解雇の有効性は別のルールで判断します。
解き直し
業務上負傷して療養していた労働者が、完全に治癒したのではないが、稼働し得る程度に回復したので出勤し、元の職場で平常通り稼働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を労働基準法第20条に定める解雇予告手当を支給して即時解雇することは、同法第19条に定める解雇制限に違反すると解される。
もう一度、正しい・誤りを選んでください。
判定:誤りです。
平常どおり稼働してから30日を経過した事例では、労基法19条の解雇制限には抵触しません。